世界Top 10、この国内広告プラットフォームは製品技術でどう包囲網を突破したか?

5Gテクノロジーのカバレッジと利用率の向上は、広告業界に良い変化をもたらします。

Vali Scorus ,Content Marketing Manager2020-05-07

今年3月末、モバイルアトリビューションとマーケティングアナリティクスのプラットフォームを世界に提供するAppsFlyerが、最新の「広告プラットフォーム総合パフォーマンスレポート」(第10版)を発表した。この中で、Mintegralは世界総合パフォーマンス実力指数で第6位にランクインされ、ランキングトップ10のうち唯一の中国企業となった。また世界成長指数では第2位にランクインし、半年のインストールシェアで183%の成長となった。また、Mintegralの親会社であるMobvistaの財務諸表データは、2019年、Mintegral代表的な事業であるプログラマティック広告業務が成長牽引の役割を果たし、収入の伸びが40.8%に達したことを示している。一方、Mintegral SDKに接続するアプリの数も著しく増加しており、2018年同期の6,900件から26,000件へと大躍進し、DAUは3.8億から5億に伸びている。

以前、Mobvistaグループの総裁・曹暁歓氏はMorketingのインタビューの中で、MobvistaMintegral過去4年間で累計10億もの投資しており、そのうちの大部分がプロダクトの研究開発への投であると語っていた。

では、国際市場への「関門突破」に成功した中国のアドテクノロジー企業として、Mintegralはどのような製品技術の配置と展開を行い、活発な事業成長を実現したのだろうか?また、いかに製品技術のイノベーションを利用することで業界に価値をもたらしたのだろうか?そこで、MorketingはMintegralのシニアプロダクトディレクター・王春雨氏へのインタビューを行い、Mintegralの製品技術戦略についてより深く理解しようと試みた。

Mintegralシニアプロダクトディレクター・王春雨氏

広告収益化で成長に弾みを付ける

王春雨氏によれば、Mintegralプロダクト配置は広告収益化をコアとして展開されているという。広告収益化のSDK及びSSP(サプライサイドプラットフォーム)はMintegral設立後の最初のプロジェクトであり、その後、次第にサプライサイドからデマンドサイドのフルスタックプログラマティック広告の配置が形成された。

継続的な製品の充実の過程で、Mintegral次のような原則を守り続けている。それは、広告のわずらわしさをできるだけ減らし、ユーザーがよりよいエクスペリエンスを得て、一層広告とのインタラクション(相互作用)を望むようにすることにより、広告主がよりよいコンバージョン効果を得て、さらにはディベロッパーの収益を向上させることである。これはMintegralの成長に弾みを付ける重要な起点とも言える。

1.長期的なユーザーエクスペリエンスの最重要視

王春雨氏は、Mintegralの製品理念においては、どのような製品や機能を開発するにしても、ユーザーエクスペリエンスが最優先されるべきだ、と語る。現在、エクスペリエンスの最適化、広告のわずらわしさの低減のため、Mintegralは次の3つの面で努力しているという。

まず第一の面として、Mintegralはディベロッパーに対し、可能な限り慎重な広告スペースの設定、リワード動画、インターステイシャル動画といった形式の更なる採用、アプリ使用中ちょうど良いノードでの広告の自然な出現などを提案している。そうすることによって、ユーザーは広告と能動的にインタラクションを行うよう誘導される。

第二の面として、まず重要なことは、クリエイティブはユーザーエクスペリエンスを向上させるカギとなることである。インタラクティブ広告はよりフレンドリーなユーザーエクスペリエンスの提供が可能で、ユーザーを引きつけて広告との間に能動的なインタラクションを発生させることができる。ユーザーのペインポイントに照準を合わせ、彼らのニーズを満たすインタラクティブ広告を、効率よく、迅速に出力する。そのためにMintegralはクリエイティブの中のエレメントに対して埋め込み型のモニタリングを行い、その自動化ツールによってエレメントをフレキシブルに調整し、ディテールを最適化して、迅速に多くのバージョンを繰り出す。こうしてユーザーの広告エクスペリエンスを向上させている。現在、Mintegralのリワード動画とインターステイシャル広告のトラフィックでは、既に50%近くのインプレッションをプレイアブル広告が占めている。

第三の面として、Mintegralは広告表示に多様化テンプレートを応用し、ユーザーに多くの広告の選択肢を提供している。Mintegral内部にはリアルタイムフレームワークをもとに多元化、カスタマイズされた広告推奨モデルがあり、ユーザーのリアルタイムの行動データをもとに学習し、広告形式、広告クリエイティブ、広告テンプレートなどの要素について最適な組み合わせを行うことができる。ユーザーがある広告に興味を示さない場合には、他の広告の選択肢を提供してユーザーの興味に適した広告のマッチングを続け、ユーザーが見飽きないよう、ユーザーと広告とのインタラクションを刺激することもできる。

2.より多くの広告リソース導入と新技術の常時サポート

ユーザーエクスペリエンスの向上だけでなく、広告収益の最大化も、ディベロッパーが非常に気にかける問題である。

2019年初め、Mintegralは自社製のプログラマティック広告取引プラットフォームMintegral Ad Exchangeを打ち出し、直接提携するディベロッパーのトラフィックをオープンな取引市場に接続した。そして1年以内にMintegral Ad Exchangeに10社以上の業界大手のDSP(デマンドサイドプラットフォーム)を導入し、関連する広告リソースをさらに開拓した。同時に、MintegralはApp-ads.txt、Sellers.json及びSupplyChain ObjectといったIABの複数の技術規格のサポートを実現。OM SDK認証を取得してトラフィックの透明性を確保し、より多くの広告主の入札参加を促した。このほか、トラフィック形式では、広告パターンを拡充した。それまでの動画広告を主とするものから、業界内のすべての主流な広告パターンの全面サポートへとグレードアップし、より包括的な広告シナリオを構築することでディベロッパーのトラフィックの価値を高めた。

最後に、これが最も重要な点だが、Mintegral SDKとディベロッパープラットフォームは近年人気のアプリ内入札(In-app Bidding)技術を率先してサポートする初の中国のプラットフォームとなっている。「これはまさにディベロッパーの広告収益を最大化できる技術です。今後、アプリ内入札技術の全面的な採用は業界発展の必然的なトレンドとなるでしょう。」と王春雨氏は語った。

「アプリ内入札」が今後のトレンド

アプリ内入札は先進的なプログラマティック広告入札技術である。この技術により、多くの広告ソースがディベロッパーのアプリ内広告インベントリに同時に入札できるようになり、最高額を付けた者がその回の広告表示のチャンスを得ることになる。こうして、ディベロッパーはより多くの収入を獲得できるようになり、広告主にとってもより公平な機会がもたらされる。

また、アプリ内入札モデルは直接パブリッシャーの収益を向上させることができ、毎回のリクエストがもたらす広告収益を明らかにすることも可能になる。同時に、パブリッシャーはそうしたデータを収集し、後続のプロモーションの中でより高い収益が見込めるユーザーを「シードユーザー」として、類似する高価値のユーザーを探し、後続の収益化をはかることでLTV全体を高めることができる。

一方で、アプリ内入札モデルは、データを通じて広告主の予算がどのチャンネルとユーザーに費やされたかを明確にし、ユーザーのコンバージョンと行動を総合的に分析して、後続の広告投入を一層最適化することができる。アプリ内入札モデルは広告主に対してトラフィック効率と広告投入過程の透明性を最大限に高めることができるのである。

ただし、王春雨氏は、目下のところアプリ内入札の全面的な普及は容易ではないと語る。アプリ内入札と従来のウォーターフォールモデルは業界内でしばらくは共存するというのだ。その主な根拠は次のとおりである。

まず、大手の一部の広告プラットフォームが現在のところでは未だアプリ内入札モデルをサポートしておらず、しばらくは入札に参加できそうにないということ。もしも今、全面的にアプリ内入札を実施すれば、ディベロッパーが広告収益の損失をある程度被ることになる。

次に、国内外を問わず、優れたメディアにはやはり一定のプレミアムが存在するということである。ウォーターフォールモデルの順位トップ保証の価格は、アプリ内入札モデルでの支出よりもかなりの確率で高くなるが、会社の宣伝のためならば、一部の広告主は依然としてそうしたプレミアムを支払うことを望む。

最後に、アプリ内入札モデルの幅広い利用は、業界全体の推進にかかっているということ。

ただし解釈次第では、アプリ内入札技術の普及は業界のエコロジー化に積極的な促進作用を果たす。つまり、ディベロッパーはより多くの収益を獲得し、広告主の出費はより透明になり、広告プラットフォームもより一層自身の能力を高めることができる。

また、インターネット広告業界が中国で発展するのに伴なって従来型の広告販売の比率は低くなり、広告主の予算消費の監視制御の要求も強烈になってきており、業界はさらなる透明化・オープン化の方向へと進みつつある。アプリ内入札はこうした特徴に順応し、業界の発展の方向にぴったりと符合している。業界発展の趨勢となるのも当然である。

また、王春雨氏は次のように付け加えている。「アプリ内入札は既にMintegralに成果をもたらしています。過去1年、Mintegral SDKを通じて自主的にアクセスしたディベロッパーの数は著しく増えており、一方で我々も、ironSource、AppLovinといったMaxプラットフォーム、MoPubなどの業界大手の統合プラットフォームに統合されることに成功しています。その要因のひとつが、Mintegralが率先してアプリ内入札技術を採用していることなのです。」

 

Mintegralアプリ内入札のトラフィックの推移

アプリ内入札がMintegralにもたらした最も明確な価値は、トラフィックプールの拡大である。ウォーターフォールモデルが一部のリクエストしか受けられないのとは異なり、業界が全面的にアプリ内入札モデルの使用を開始すれば、Mintegralはすべてのトラフィックリクエストを受けることができる。そして広告主には多くの選択の余地が生まれ、選択可能な範囲内にすべてのターゲットユーザーが現れることになる。

収益評価においては、ウォーターフォールはある順位でのひとまとまりのユーザーの収益状況について大まかな評価を行うのみで、収益がプラスになると保証すれば済む。一方、アプリ内入札は、毎回のリクエストの背後にいるユーザーについて、より正確な識別を行い、相対的に正確な広告のプッシュを保証することを前提に、適正な価格設定を確保している。このため、アプリ内入札では広告プラットフォームの技術的な実力、アルゴリズムモデル及びデータの蓄積が一層試されることとなる。

絶えず蓄積される膨大なデータにもとづき、Mintegralはアプリ内入札において正確にユーザーの価値を評価することができる。例えば、5億を超えるSDKのDAU、広告活動で蓄積されたファースト、セカンド、サードパーティのユーザー行動のデータ、及びインタラクティブ広告のクリエイティブにおける埋め込み型のモニタリングで得られたユーザーのインタラクティブな行動データなどは、いずれもMintegralの正確な予測の強力な支えとなり、Mintegralの機械学習能力を一層向上させている。

「業務意識」の技術思想で製品の更新を促す

欧米の大手企業との競争の中で優勢を保ち、長期に渡り世界のトップレベルに並んでいくため、Mintegralは製品技術の充実を維持し、国際市場に中国の優秀な広告技術を発揮している。一方で業務成長のさらなる活発化、製品技術チームの効率よい運営の促進のため、Mintegralは技術チームの「業務意識」の育成にかなりの力を入れている。

王春雨氏によれば、Mobvistaグループ内部では、毎年技術チームに対して「ハッカソン」技術コンクールを開催し、技術チームの「業務意識」の育成と強化を図っているという。一人ひとりの技術スタッフがCEOと同じように思考し、会社の業務課題や自身が担当する技術分野について最適なソリューションを提出するのである。

Mintegralは、技術チームは技術に強い業務意識を持ち、業務について深く理解してこそ、製品要求仕様書を目にしたときに自身の提案を行えるのであって、完全に製品要求仕様書に従って開発を完了させるわけではない、としている。そしてまさにこの「業務意識」こそが、要求仕様書の質、技術スタッフの要求に対する理解の深さ、製品技術能力の充実、チーム自体の成長及び会社の後続業務の発展などの面で、Mintegralを向上させ続けているのである。

わりに

将来の広告技術の発展のトレンドに話が及ぶと、王春雨氏は、5G技術のカバー率と利用率の上昇が広告業界に大きな変化をもたらすだろうと述べた。AR、VRといった広帯域、低遅延に高度に依存した広告パターンが次第に普及していくという。また、5G技術はプリロードを必要としないため、既存の動画広告とインタラクティブ広告のユーザーエクスペリエンスも向上する。例えば、プレイアブル広告は「クラウドゲーム」の方式でユーザーに直接ゲームを体験させるようになり、関連する素材の制作などは必要がなくなる。

王春雨氏は、「こうした非常に重要な変化に直面し、Mintegralは技術の趨勢に歩調を合わせてイノベーティブに試みはするが、今後1年間は、やはりアルゴリズムモデル、データの蓄積などベースとなる能力の最適化に技術の重点を置く」と述べている。結局のところ、業界のトレンドの焦点は、やはりベースとなる能力の、垂直型又は方向性のある発展にかかっている。ベースとなる能力が十分に強ければ、新技術が出現しても、当然関連する製品をすばやく作り出すことができるのである。

このほか、透明化、オープン化も依然として広告業界の発展のトレンドである。Mintegralもオープンで透明性のある価値観を持ち続け、製品の技術能力を向上し、多方面の利益と業界の発展をリードしていく。

Avatar
Vali Scorus is Mintegral's Content Marketing Manager, responsible for digital and social media content. Vali has over 10 years of experience covering the gaming industry.
Share